仕事を進める上で、フレームワークを知っているかどうかで大きな差が出るのは、ご存知でしょうか?
そんなフレームワークの中でも、基礎とも言える実際に役立つものを紹介します。
フレームワークを活用することで論理的思考で物事を捉えることができます。
また、考えが整理されるだけでなく、説得力が上がり正しい方向へ進みやすくなります。
新入社員のうちから実践することで、3年後、5年後のあなたの武器となってくれるでしょう。
フレームワークとは
直訳すると「構造」「骨組み」となる。
ビジネスで使うフレームワークには、経営戦略や業務改善、問題解決などを行う際に、物事を論理的に考えるためのツールとなります。
なぜ理論的に考える必要があるのか?
仕事をする上で人とのコミュニケーションは欠かせません。
物を売る、企画を提案する、行動の結果や過程を報告するなど、自分の考えを伝える場面は多くあります。
そんな時、「なんとなく」「今までそうだったから」など抽象的な言葉で人の心は動くでしょうか?
反対に、なぜこの行動が必要なのか、この結論に至ったのか、などを論理的に説明することで説得力が高まります。また、たとえ失敗に終わったとしても、過程が明確になっていれば反省点や改善点を見つけやすくなり、次につなげやすくなります。
無敵のオールマイティ:P・D・C・A サイクル
PDCAサイクルとは
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)
上の頭文字からなるフレームワークのことです。
この順番で仕事を進め、繰り返し行うことで継続的に業務改善を促す手法となります。
最後のAction(改善)まで進んだら、その改善点をもとに頭のPlan(計画)に戻り、計画を立て直すという流れになります。
成長に欠かせないのが、同じ失敗を繰り返さないことと言われたりしますが、このフレームワークを活用すれば、評価して改善を図るというステップも踏めるので、良し悪しを明確にできます。
良し悪しが明確になれば、同じ失敗を防ぐことにもつながります。
このPDCAサイクルは、どのような場面でも当てはめることができるので、積極的に活用していきましょう!
最強コミュニケーションツール:ホウ・レン・ソウ
ホウ・レン・ソウとは
「報告」「連絡」「相談」の頭文字をからなるフレームワークです。
とても有名なフレームワークで、学校などでも用いることがあるので馴染みのある方も多いと思います。
ホウレンソウはコミュニケーションの基本となり、信頼関係を作る上でとても重要なツールです。
また、トラブルを未然に防ぎ、目的に向かって正しい方向で仕事を進める機能を持っています。
報告と連絡の違い、理解してますか?
報告
報告とは上司の指示に対する経過や結果を伝えることです。
報告を行う際は、結論から先に伝えると、聞く側が話の全体像を掴みやすくなるので、理解してもらいやすくなります。
トラブルなど悪いことほど早めに行うようにしましょう。
様子をみたり、解決を待ってから伝えようとすると、かえって事態を悪化させてしまう恐れがあります。
連絡
連絡とは情報の共有や業務の状況を伝えることです。
報告と比べ優先度は下がるので、伝えたい先の状況をみながら伝えるようにしましょう。
用件の優先度が低い場合は、メールの活用の検討しましょう。
相談
相談は業務の疑問や不安について意見を求めることです。
相談とは一般的に上司や先輩に対し行うことで、受ける側の時間を割いて話をしているという意識を持ち、ポイントを整理して行うことが大切です。
また、相談する前に「自分はこう思う」という自分なりの意見をまとめてから相談するように心がけることで、自分の意見と比較ができたり、相談相手に対して考えた末に最善案を求めているという前向きな姿勢を伝えることができます。
物事を具体化する:5W1H
【もっと詳しく】営業マンは5W1Hを使いこなすと世界が変わる!
5W1Hとは
When(いつ)、Who(誰が)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)
How (どうやって)
の頭文字からなるフレームワークです。
いくら良いプランを作ることができても、実際に行動できなければ意味がありません。
また、行動するにしても何から手をつければ良いのか分からないままでは、進めようがありません。
そんな時に役立つのが、この「5W1H」です。
最近ではチェック項目が増え、6W4Hなども聞きますが、基本の5W1Hをしっかりとマスターし、場面に合わせて項目を追加していくと良いでしょう。
5W1Hでは項目が多すぎる場合は、最低限3W(いつ、誰が、何を)は決めるようにすると良いでしょう。
項目がすぐ出てくるようになるまでは、5W1H(省略せずに)を携帯メモや手帳などに書き残しておき、決め事をするときに見ながらチェックしていくと漏れがなく活用できます。
考察力を上げる:なぜ・なぜ分析
なぜ・なぜ分析とは
トヨタ式問題解決のフレームワークとも言われ、問題や課題の本質を見つけるときに用いるツールで、「なぜ」を5回繰り返す手法のことを言います。
例題:不良品が発生した際の問題点を見つける
【不良品が発生】
なぜ(1回目)→チェック漏れがあったから
なぜ(2回目)→マニュアルどおり行われなかったから
なぜ(3回目)→マニュアルの存在を知らなかったから
なぜ(4回目)→急きょヘルプで担当した人で主業務ではなかったから
なぜ(5回目)→欠員がでた時の想定をしていなかったから
単に「不良が発生した原因はチェック漏れであった。だからマニュアルのチェック項目を強化しよう」とすると、その先にある真因(真の原因)に気がつかず、根本的な解決に至らない場合があります。
今回の場合は欠員が出たことにより、ヘルプで慣れない作業をしたことで発生した、チェック漏れが原因となります。なのでマニュアルを強化するよりも、欠員が出た場合を想定して、持ち場のローテーションを取り入れることが最善策だということになります。
このように「なぜ・なぜ分析」を用いることで、深い階層にある真因(真の原因)を見つけ出し、最善策に導きやすくなります。
今回は製造工程での例で説明しましたが、営業活動で「売上が悪い」などの場合においても原因を整理しながら、真因を見つける時にも役に立ちます。
自ら考えて行動する力を養う:空・雨・傘
空・雨・傘とは
事象をもとに何をすべきか仮説を考える際のフレームワークのことで、
「空の雲行きが怪しい」→「今日は雨が降りそうだ」→「傘を持っていくべきだ」
という考え方のことです。
そして、ここで重要なのは「So What(だから何)」という問いかけをすることです。
仕事をする上で、最後の「こうするべき」がとても大切です。
報告をするとき「雲が出てきました!」や「今にも雨が降りそうです!」などと伝えるばかりで、「だからどうする」が抜けている場合があります。
これでは報告を受けた側はどうすればいいのか困ってしまいます。
そこで、このフレームワークを用いて自ら仮説を立てることで、初めてその人の経験が活かされ、存在意義が出てくるのです。
まとめ
フレームワークを活用することで論理的思考で物事を捉えられるようになります。
また、考えが整理されるだけでなく、説得力が上がり正しい方向へ進みやすくなります。
新入社員のうちから実践することで、3年後、5年後のあなたの武器となってくれるでしょう。