営業職に限らずビジネスに電話は欠かせません。
お客様や取引先、社内の人との話すなど、電話を活用することで業務が円滑になります。
それだけに電話のマナーが守られていないと、会社や自分のイメージダウンにつながります。
お互い顔が見えないだけに、誤解を招き取り返しがつかない事態に発展することもあります。
そうなる前に、基本を学び気持ちのよい対応が出来るように準備をしていきましょう。
電話応対の心構え
今や1人1台、携帯電話を持っている時代ですが、友人や家族と電話をすることと、ビジネスで電話をすることでは、マナーも心構えも大きく異なります。
ビジネスでの電話応対では、お客様や取引先の対応をする場面が多くあります。
相手が見えないからといって、ふんぞりかえって話をしていると、その雰囲気は相手に伝わってしまいます。相手が目の前にいるつもりで、全神経を傾けて話をするように注意しましょう。
各自が、常に会社や職場を代表しているという自覚を持って、気持ちの良い対応を心がけましょう。
電話の受け方
電話は「正確に」「早く」受けることがポイントです。
そのためには、いつも手元にメモ用紙と筆記用具を準備しておくことが大切です。
また、相手の話の要点を確認するために復唱することも重要になります。
基本的な流れ
1、ベルが鳴ったらすぐに出る
メモを取りやすいように、受話器は左手でとります。(左利きの人は逆)
ベルが3回以内に出るのが一般的ですが、できるだけお待たせしないよう少ないベル回数
での対応を心がけましょう。
2、名乗る
「(会社名)、〇〇でございます」
このとき、「もしもし」は不要です。
第一声の声の印象が大切です。明るく元気な対応を心がけましょう。
3、相手を確認する
聞き間違いがないように復唱し、メモをとります。
「〇〇様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」
4、電話を取り次ぐ
電話を保留にして、会社名と名前を伝えて取り次ぎましょう。
電話回線が複数ある場合は、外線(内線)何番の電話なのかも伝えるようにしましょう。
◆取り次ぎ相手が不在の場合
「大変申し訳ございません、〇〇はただ今、外出をしております」
「大変申し訳ございません、〇〇は現在、席を外しております」
などと伝え、相手の意向を確認しましょう。
5、用件を伝えられた場合
落ち着いてメモを取り、要点を復唱しましょう。
相手の会社名・名前・用件のポイントを確認することで、自分の聞き間違いや漏れを
防ぐだけでなく、相手に安心感を与えることができます。
6、終わりのあいさつをして受話器をおく
気を抜かずに丁寧に心を込めて行いましょう。
「失礼いたします」「ありがとうございました」など。
電話はすぐに切らずに、相手が電話を切ったことを確認してから切るようにしましょう。なかなか電話が切れない場合は、こちらから電話を切りましょう。その際、受話器はやさしく静かに置くようにしましょう。意識せずに置くと「ガチャッ」という音がなり相手を不快にしてしまうことがあります。フックスイッチを指で押して、通話を切ってから受話器を置くと、静かに切ることができます。
伝言メモの残し方
伝言メモを作成するときは、内容を正確かつ簡潔に記入することが大切です。
また、誰がいつ何時ごろに受けた電話なのかを記入することも忘れないようにしましょう。
5W4Hを意識すると漏れを減らし、効率的に伝えることができます。
慣れないうちは、事前に伝言メモカードを作成しておいても良いでしょう。
こんな時どうする?
取り次ぎ相手が不在
1、電話中の場合
電話中であることを伝え、折り返し電話することを伝えましょう。
2、席を外している/会議中の場合
席を外している/打ち合わせ中であることを伝え、相手の意向を確認しましょう。
「申し訳ございません。〇〇は、ただ今、(打ち合わせのため)席を外しております。戻りましたらこちらからお電話いたしましょうか」など。
3、外出中や出張中の場合
外出していることを伝え、相手の意向を確認しましょう。また、帰社時刻が明確な場合は、帰社予定時刻を伝えましょう。
出張中の場合は出社予定日まで期間があくため、単に外出していると伝えるのではなく、出張に出ていることを伝えてあげましょう。
4、休んでいる場合
お詫びと次の出社予定を伝え、相手の意向を確認しましょう。
「申し訳ございません。〇〇は本日お休みを頂いております。明日出社予定ですので、こちらからお電話いたしましょうか」など。
調べるのに時間がかかる
時間がかかることを伝え、こちらからかけ直すことを伝えましょう。
用件が自分ではわからない/対応できない場合
自分ではわからない/対応できないことを伝え、上司または先輩に替わってもらうか、折り返し連絡をするようにしましょう。
わからないことを隠してその場の対処を優先してしまうと、あとでトラブルになりかねませんので、素直な対応を心がけましょう。
「大変申し訳ございませんが、私には分かり兼ねますので、担当の者に伝えまして折り返しお電話を差し上げたいと思います」など。
電話のかけ方
電話をかけるときに最も重要なことは、内容が相手にとって十分納得できるものであるということです。相手の予定に割り込み話をするという意識を持ち、用件を事前にまとめて簡潔に伝えるようにしましょう。
また、かける時間帯にも注意をしましょう。業務時間外や週明けの午前中、お昼休憩などはなるべく避けたほうが良いでしょう。急用などで、どうしてもかける必要がある場合は、最初に一言お詫びと伝えるようにしましょう。
基本的な流れ
1、事前準備
相手の所属先、名前を確認して、話す内容や順序もメモに書き出しておきましょう。
また、必要な関係書類やメモ用紙を手元に揃えておくと良いでしょう。
2、名乗る
あいさつをして、自分の会社名、名前を明るくはっきりと伝えましょう。
「いつもお世話になっております。(会社名)の〇〇と申します」など。
3、取り次ぎをお願いする
ビジネスでは会社の代表番号に電話をかけることも多いため、話したい相手へ取り次ぎをお願いしましょう。
「〇〇事業部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」など。
4、用件を話す
話したい相手がでたら、もう一度、名乗ってから用件に移りましょう。
用件は事前に整理したメモを追って、要領良く話すようにしましょう。
内容が長くかかりそうな場合は、予め確認をすると良いでしょう。
「〇〇の件のお話ですが、〇〇分ほどお時間頂いて宜しいでしょうか」など。
◆アポイントの約束や宿題をもらった場合
失礼にならないよう気をつけながら、内容を復唱し相手に確認するようにしましょう。
5、終わりのあいさつをして受話器をおく
相手の時間を頂いたお礼を伝えて、電話を切りましょう。
「お忙しい中、ありがとうございました。失礼いたします」など。
原則として、かけた側が先に電話を切りますが、相手が目上、お客様の場合はこちらが後に切りましょう。受話器をおく際も、やさしく置くことは電話をかけた場合も同じです。最後まで気を抜かず丁寧な対応を心がけましょう。
こんな時どうする?
話したい相手が不在
かけ直すときは、相手の帰社予定時刻を確認して、改めて電話することを伝えましょう。
簡単な用件であれば、伝言をお願いするなども検討しましょう。また、伝言を頼んだ場合は頼んだ人の名前を聞くのを忘れないようにしましょう。
「お戻りは何時ごろの予定でしょうか」「失礼ですが、お名前を教えていただけますか」など。
通話中に電話が切れてしまった
原則的には、かけた方からかけ直すのがマナーになります。
「電話が切れてしまい、失礼いたしました」など。
相手の雰囲気がいつもと異なるとき
相手の話し方の雰囲気(よく聞いていない、そわそわしだしたなど)から相手の状況を察知し、話を早く切り上げるか、都合を確認するようにしましょう。通話中でも、会議や打ち合わせの、外出の時間が迫っている場合など、相手の都合も変化していくことを忘れずに配慮が大切です。
「このまま続けても宜しいでしょうか」など。
電話で済む用件、済まない用件の見極め方
電話で済む(または適当な)場合
- 事故発生などの緊急時
- 面会の約束をするとき
- 時間に遅れるとき
など。
電話では済まない(または不適当な)場合
- 記録(証拠)を残す必要があるとき
- 複雑な説明や抽象的な説明をするとき
- 問題を起こしたときのお詫び
- 秘密を要する内容を伝えるとき
など。
携帯電話でのマナー
営業など外出の多い人は、会社から携帯電話を支給される場合がありますが、利用にあたってはマナーをわきまえ、他人に迷惑のかからないように心がけましょう。
注意すること
私的な使用はしない
業務用として会社から借りているという意識を持ちましょう。
運転中の使用はしない
運転中はドライブモードもしくは、ハンズフリーの設定にしましょう。
上司や同僚の携帯番号を安易に教えない
必要であれば、こちらからかけ直してもらうようにしましょう。
まとめ
電話応対は回数を重ねて慣れることが大切です。誰でも初めは内容を聞き取れず、苦手意識を持ってしまうこともありますが、電話応対のマナーをしっかり守り、お客様や取引先、社内の人との業務を円滑にしていきましょう。